ミドルクラスのミニバンで一番選ばれているだろうヴォクシーとセレナ。
どちらを選んでいいか悩まれている人も多いだろう。そこで、実際に悩んで購入した私なりの意見を述べたいと思う。
ちなみにどちらもエアロタイプの比較をする。おそらく見た目が商用車のようなノーマルを選ぶ一般家庭は少ないだろうから。また、ハイブリッドは経済的によいとは言えないので、ガソリン車とする。どちらも一番人気であるヴォクシーなら煌Ⅱ、セレナならハイウェイスターVで話を進める。
→8/1よりセレナのマイナーチェンジモデルが公表された。
主な変更点は「見た目」と「安全性能」。
大きな変更点は「見た目」。今流行りのオラオラ系を出してきた。
トヨタのアルファードに似せてきたといえよう。これについては、様々な意見がありそうだが、個人的には前モデルの方が最近流行りの顔と差別化されて良かったと思うが、いずれ慣れてくるのだろう。しかし、オラオラ路線に進んでほしくなかったのに・・・
あとは、安全装備に磨きをかけた形となる。この手のミニバンを購入する世代を考えると安全装備にそこまでお金をかけるのはどうかと思うが、安全装備が標準化されてしまい前モデルより価格が上乗せされてしまった。
詳細は最後に追記しようかと思う。
http://www2.nissan.co.jp/SP/SERENA/NEW/
結論から述べると…
最初に結論から述べると、私はセレナを選んだ。
選んだが、今でも正しい選択かどうかは分からない。諸事情で車の買い替えを迫られたため、じっくり選べなかった。しかし、そんな状況でないと選べなかったかもしれない。それくらい悩ましいと思う。
私の家族形態は自分、妻、2歳、0歳。
4人家族で祖父母とも割と頻繁に出かける。旅行が好きなので、このサイズのミニバンが欲しかった。また、2列目シートが基本的にチャイルドシートになるので、3列目シートの居住性もそれなりに求めている。
ざっくり言うと、ヴォクシーは見た目。セレナはファミリー向け。
ヴォクシーがかっこよくて、ヴォクシーしか選択肢にない人もいる。しかし、見た目がセレナもありならセレナを選ぶのかなぁと思う。
3列目も快適に過ごすならセレナ
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/serena.html
いちばん最初の選択肢の分かれ目としたのが、3列目シートをどう考えるかだ。
3列目も人を乗せて、旅行に行くようなタイプの家族はセレナをお勧めしたい。
サードシートの出来栄えは、セレナがこのクラスのミニバンで1番だ。
3列目へのアクセスの良さ、広さ、座席の厚み、パーソナルテーブル…
さらにセレナなら3列目シートもスライドできる!!
もちろん3列目シートのリクライニングも可能。十分すぎるほどだろう。
一方のヴォクシーは・・・
ヴォクシーは、7人乗り用のセカンドシート中央からのウォークスルーは格納式ドリンクホルダーがあるため少々狭く、大人だと通りにくい。
3列目の空間はセレナと比べると握りこぶし分狭く、テーブルもなければ座席の横にドリンクホルダーもない。
座席横には収納ボックスかと思いきや、サードシートの格納のためのもの。
座り心地は悪くはないが、オマケ感は強い。
もちろん2列目を前にスライドさせれば3列目も快適になるが、2列目が少々窮屈になる。元々、シートは2列目の方が快適なのだからそんなことはしないだろう。
室内の広さを比べても・・・
室内の広さもヴォクシーは、室内長さ:2930㎜、室内幅:1540㎜、室内高さ:1400㎜
一方、セレナは、室内長さ:3240㎜、室内幅:1545㎜、室内高さ:1400㎜
セレナの方が広いことが分かる。実際に車両寸法もセレナの方が若干大きい。
ヴォクシー 全長:4710mm、全幅:1735mm、全高:1825mm
セレナ 全長:4770mm、全幅:1740mm、全高:1865mm
よって、ほとんど3列目を使わなければヴォクシーでよいが、そうなるとステップワゴンも選択肢に加わる。
ちなみにステップワゴンは、3列目シートが床下格納のため座席自体がpoorで座り心地が最も悪い。広さはそこそこあるが、座面が狭く大人が座るには窮屈。また、わくわくゲートを考えると、この車種はサードシートは基本的に床下格納を考えているのだろう。
つまり、3列目の快適さはヴォクシーよりさらに悪いと言える。
セレナを選ぶ理由
次にセレナとヴォクシーを比べた時に感じたのは、セレナにしかない工夫が色々ある点だ。一方、ヴォクシーは至って普通というか特に突出した特徴のない車に仕上がっている。つまり、セレナにしかない特徴が必要かどうかが選択の決め手になるかと思う。
デュアルバックドア
その中で特に決め手となるのがデュアルバックドアだ。この使い勝手からすると、今後、この形を採用する車種が増えるのではないだろうか。
駐車場が狭くても上部のハーフバックドアを開けることができるのは非常にありがたい。ミニバンでよくある光景に駐車する前に1回降りて荷物を下ろしその後、車に乗り込み駐車場に入れることがある。リアの見た目がスタイリッシュではないがそれ以上に使い勝手がよいといえよう。当然ながらヴォクシーのバックドアにこのような工夫はない。
ハンズフリーオートスライドドア
足でスライドドアの開閉ができるのは、CMでもご覧になったことがあるだろう。特に子供を抱っこしなければならない時期に重宝することだろう。これならお母さん1人でも簡単にスライドドアの開閉ができる。もちろんドアハンドルのスイッチでも開閉できる。
しかし、使い勝手はそれほど良くない。足で操作するコツがいることやキーを持っている人しか反応しないこと、動作反応がそれほど良くないことなど。正直、ドアハンドルのスイッチで十分だと思う人もいるかもしれない。
ちなみにステップワゴンにはオプションで付けることも可能だ。
セレナには2列目と3列目にテーブルがある
セレナは、2列目と3列目にもパーソナルテーブルが付く。これは、他車ではまねできない凄いことといえよう。しかし、使用用途が実際あるかはどうなんだろう。また、無駄にドリンクホルダーがいっぱいあるのはなぜだろうか?
ご飯やお菓子、飲み物を飲み食いする時に重宝しそうだが。もっとも子どもはこういった装備は喜びそうだ。こうしてみるとやはりセレナは3列目の快適性も損なわずに設計したといえよう。
スマートマルチセンターシート
ガソリン車のみとなる。
要はセンターコンソールが可動式になっており、しかも座席にもなる優れもの。これにより7人乗りから8人乗りに変更もできる。このセンターマルチシートの位置によって色々なシートアレンジが可能となる。ちなみe-POWER車は1列目に動かないセンターコンソールがつく。
ヴォクシーは7人乗りではセンターコンソールがなく、全席ウォークスルーで移動可能ある。
どれがよいかは一概には言えないが、センターコンソールがあれば子供が運転席に移動してくることを防げるかもしれないし、逆になければ車内を自由に行き来できる。
ヴォクシーは見た目以外に何か良い点はないのか?
https://toyota.jp/voxy
ここまでほとんどセレナ寄りの内容になってしまったが、それだけセレナの方が機能面で魅力的な装備が多い。セレナのこれらの装備が不要ならば、ヴォクシーもありと考えられる。では、ヴォクシーの良い点はないのだろうか。
走行性能はヴォクシーに軍配
アクセルのレスポンスは、ヴォクシーの方が上だ。セレナは口コミにもあるがモッサリとしてて反応が悪い。というかパワー不足感が否めない。登り坂もアクセルを踏まないと登ってくれない。一方、ヴォクシーはストレスなく運転することができる。
わかりやすく言うとセレナは重く、ヴォクシーは軽い。
この辺りをどう捉えるかは試乗してみて比べてみるしかない。ファミリーカーとして割り切れば、そこまでパワーを求める必要はないかもしれない。ただし、試乗して分かるほどだったので是非とも試乗して体感してほしい。
ちなみにハイブリッドは変わってくるので注意してほしい。試乗はしていないが、e-POWERのセレナの方がパワフルという口コミが多い気がする。
低床設計
低床だから乗り降りが楽で走りに安定感がある。このクラスのミニバンでヴォクシーは1番床が低い。小さい子どもやお年寄りには好印象だろう。そして低床設計だから走りも安定している。ミニバンはどうしても高さがあるので重心が高くなりやすい。そうするとカーブの安定感を考えれば低床設計は大切だ。実際にヴォクシーの走りはセレナより安心して走れる、気がする。
一方、セレナは床が高い。前も後ろも乗るには、1段ステップを介して上がらないといけない。つまり2段上がらないといけない。若い世代が対象のこのミニバンならそこまで気にならない。我が家も小さい子供がいるが問題なく登っている。
3列目シートがワンタッチで格納できる。
3列目を簡単に格納できるのは楽だし、やり方も簡単なので誰でもできる。セレナは格納するのに3段階くらいあるので、方法を知っていないとできないし、面倒だ。そもそも3列目を頻繁に出したりしまったりするかどうかは微妙だが…
セレナは3列目をスライドできる点から、そもそも格納することに力を入れてない気がする。前にスライドさせれば、収納スペースは十分確保できるから。
以上だが、ファミリーカーとして考えるならば、これらのことが選ぶきっかけになるかは難しい。走行性能の良さは男性ウケしそうだが・・・
細かい違いについて
次に細かい部分の違いを挙げていこう。
これらは、カタログでは分かりにくかったり、記載していないことなどをまとめた。ここによっては、細かい部分がどうしても外せない人もいると思うのでチェックしてほしい。
ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)はヴォクシーにはない
クルーズコントロールはどちらの車種も用意されているが、追従機能のあるACCはセレナでないと装備できない。ただし、セレナはオプションのセーフティーパックBのプロパイロットを付けることで使用可能となる。
追従機能のないクルーズコントロールって正直使いにくいだろう。このクラスのミニバンにないのは致命的だ。乗る世代を考えれば、踏み間違いとか車線はみ出し制御とかより、むしろACCをつけて欲しかった。
プロパイロットの使い勝手はセレナの試乗にて体験したが、まだまだ発展途上で若者には特に必要性を感じない。8月のマイナーチェンジでもプロパイロット2.0(ハンドルから手を放してよい)は搭載されなかった。
ただし、ACCは欲しいところなので悩みどころだ。
デュアルエアコンはヴォクシーにあって、セレナになし。
運転席と助手席のエアコンの温度を変えられるデュアルエアコンはヴォクシーにはあるがセレナにない。しかし、今の私の車はデュアルエアコンだが使い分けたことはない。よって、あまり重要ではないと思う。
前席と後席の温度設定は異なる可能性があると思うが、ヴォクシーはオプションで、セレナも寒冷地設定でリアオートエアコンがつく。煌きⅡは特別装備として装備されている。
アラウンドビューモニターは日産ならでは
駐車する際などに重宝するアラウンドビューモニター。自車を上から見たような画像がリアルタイムで表示できるのだが、もちろん衛星で映しているわけではない。車の何箇所かにカメラがあってそれを合成して作られた画像である。なので、過信すると痛い目にあうので注意しなければならない。また、カメラの死角となる部分、特にカメラ上方は映らないので木の枝などがあっても気づかない。
正直、駐車する際に必要かと言われると微妙だ。むしろ情報が多くなり過ぎて、しっかり目視しなければならない部分を疎かにして、ぶつける可能性もあるといえる。
先行者発進告知機能はセレナには付いていない
セレナの残念な点に先行者発進告知機能が付いていないことが挙げられる。
これは意外と重宝するので個人的には非常に残念だ。ましてや衝突回避支援機能が備わっているのだから対応してほしかった。対して、ヴォクシーはしっかり対応している。
座席のフルフラットはヴォクシーの方が上
2列目をフルフラットにするのはヴォクシーの方がよりフラットになる。セレナは座席の背もたれと座椅子の段差が大きくなるので完全なフルフラットとはいえない。まあ、あまり重要ではないかもしれないが。
セレナは2列目と3列目の間にエアコン
セレナには、寒冷地仕様にすると2列目後方、3列目前方の吹き出し口から暖気、寒気がでる。足元を暖めてくれるのはありがたい。
セレナは給油口がキャップレス
給油する際、キャップを外してガソリンを入れると思うが、セレナはキャップレスを採用しており、手が汚れる心配はない。
安全技術はどうだろうか
セレナはセーフティーパックAで十分
ハイブリッドはどうだろうか?
どちらの車もハイブリッドはおすすめできません。というのもガソリン車とハイブリッド車で価格差が大きくて、元を取るのに10年以上かかるからだ。実際に意外と思ったことにどちらのディーラー販売員もハイブリッド車を勧めてこない。それだけにまだこのクラスの車種に関してはハイブリッド車は割高なのだろう。ハイブリッド車を本当に売りたければ、どのメーカーもガソリンだけの車は廃止しないと消費者は買ってはくれないだろう。それにはまだ時間がかかりそうだ。
最後に
改めてヴォクシーとセレナを比較した時の決め手についてまとめると、
見た目はヴォクシー。
中身はセレナ。
になると思う。
ヴォクシーのエクステリアに敵うミニバンはないと思います。それだけ現行のヴォクシー煌きのエクステリアは素晴らしいといえる。街で見かけるミニバンはヴォクシーがほとんど。セレナは、ミニバン販売台数がどうとか言っているがほとんど見かけない。むしろアルファードの方が見かけるくらい。それだけトヨタというブランド力は絶対であり、厳ついオラオラ系のミニバンが魅力的なのだろう。ミニバン自体ヤンチャな人が乗っているイメージが強い。
一方で、真面目なファミリー層、奥様方にはむしろセレナの方がそこまで悪っぽさがなく、正当派のファミリーカーのセレナが選ばれやすいのかもしれない。
そして、何よりも価格が重要だ。
購入するタイミングによっては、安くなる車種もある。
モデルチェンジが迫った車種というのは、普段より安く買えるのだ。
このチャンスを逃す手はない。
来年はヴォクシーのフルモデルチェンジが噂される。
モデル末期は性能面で劣る部分もあるが、安く購入できるのが魅力だ。
次のモデルチェンジでは、そこまで最新の機能が装備されるとは考えにくい。何よりもミニバンに未発表の最新機能はつかないと思っていい。
個人的には、このクラスのミニバンであれば、モデル末期のお得な車種の購入をおすすめする。
セレナ マイナーチェンジ後は?
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/serena/simulation.html
これはこれでアリだろう。
それなりにかっこよく見えるのではなかろうか。ヘッドライトのブラックベゼルがカッコよさを際立たせているのだろう(本当にブラックベゼルなのか怪しいが)。あと、ホイールデザインも個人的にはカッコイイと思う。フロントのグリルは、オラオラ系で好みが分かれるところ。個人的にステップワゴンよりはカッコいいがヴォクシーを超えるとは言い難い。
安全性能
今回の安全装備で最も使い勝手が良いのが「アダプティブLEDヘッドライトシステム」だろう。今までもハイビーム/ロービームの切り替えはオートであったが、今度の機能はそれに加えてハイビームでも対向車に眩しくないよう配慮されている。車線右側の対向車に対しては、ハイビーム時でも対向車の存在に合わせてその方角のみロービームとなるよう調整される。
あとは、衝突回避支援システムが昼間のみだったのが、夜間対応されたことか。他にも後側方衝突防止支援システム及び警報や後退時車両検知警報などが装備される。実際にホームページで確認すると良い。動画も用意されているが、感想は正直、昨今の安全装備に頼りすぎてそもそも運転免許を取った教習のことを忘れてないか心配になる。安全装備はあくまでも支援であって自動運転ではない。きちんとドライバーには安全運転の基本的技術を守ってほしい。
何度も申し上げるが個人的には、ミニバンを購入する世代に過度な安全装備は反って安全運転を疎かにしやすくする。安全装備がスマホいじりを増やす支援にならなければ良いが・・・
10インチナビの登場
ようやく10インチナビを搭載してきた。液晶はWXGAでHD画質。もちろんブルーレイ再生可能。
現時点で最高ランクのナビが装着可能。迷わず純正ナビでよいだろう。ナビに関しては、マイナーチェンジ後のナビの方が圧倒的におすすめといえそう。
しかし当然ながら、前回の9インチナビよりも価格は上がってしまうのは致し方ないか(6万円ほど)・・・個人的には、トヨタ車のように9インチ、10インチが選択できるといい。誰しもがナビのグレードアップに6万円もかけれないと思う。
あとは見比べたわけではないので何とも言えないがナビにHD画質が必要かと言われると・・・家のテレビとは使用頻度も目的も違ってくるのでどこまで高品質を求めるかは個人の価値観によって変わってくるので、やはりナビは選択肢が3パターンくらいあるといいのではないか?
それ以外の部分
内装は革シートモデルが追加されたくらいで変更はない。
何か見つかれば随時アップしていこうと思う。
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