スターウォーズを振り返る~全9部作を終えて~

ここにスターウォーズ全9部作に渡る長編映画が終わった。

長いスターウォーズの歴史に取り敢えず幕を下ろす形となったが、今回のEP.7~9の出来に対してどうしても完結できないでいる私がいたので勝手な独り言をさせてもらう。

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ディズニーに明け渡した時点で・・・

元々、スターウォーズは6部作で終了予定だった。創造主であるルーカスもそのつもりでディズニーに売却した。

ところが、ディズニーはその続編を試みる。当然といえば当然の流れだが…勿論、ルーカスも黙ってはいない。ジェダイの帰還のその後の話も頭になかったわけではない。しかし、ルーカスの案は却下される。既にこの時点で嫌な予感はしていた。

続3部作は創造主ルーカス抜きで作られた。そのため商業的かつファンサービス向けな映画になってしまった。作り手自体がファンなのだから…

ここからは個人的な意見です。ネタバレも含みます。

正直言って、EP7〜9はそれなりに楽しめた。しかし、それはスターウォーズだからである。どんなストーリーになっていようと楽しめた筈だ。

そして、EP1〜6とは関係ない3部作として観れば良い出来だったと思う。EP7から見始めた客には割と分かりやすく面白かっただろう。

しかし、過去作を観てきた人にとっては、必ずしも成功とは言い難い。何よりも面白さに欠けた作品となっただろう。というのも深みのない作品に仕上がったと思っている。

問題は、スカイウォーカー家物語の集大成をルーカスでない別の人間がやってしまったことにあるだろう。ルーカスのこれまでのストーリーを何故、別の人間がその続きのストーリーを描くのだろうか?ルーカスの案を無視してまで。

完全なるディズニーによる商業的目的に他ならないのは言うまでもない。

少なくとも今までの続編を描くならルーカスにあらすじを任せるべきだと思った。

EP7〜9でした過ちについて、各EP毎に述べる。

まずはEP7。

ジェダイの帰還以後の3部作の始まりなので、EP7次第で今後の方向性が決まる重要な位置づけだった。キャラクター設定は無難と思われた。主役が女性なのはディズニーならではか。女性ファンの囲い込みも狙ってのことだろう。個人的には、女性キャラを主役にしたのは悪くない選択だと思う。悪役もスターウォーズらしくて良い。

問題は、ストーリー展開と新しい事への挑戦が欠如していたこと。終始、EP4のオマージュとファンサービスに徹してしまったこと。無難と言えば無難。映画としては転けずに済んだが、面白みと深みに欠けた。良く言えば分かりやすい、悪く言えば何度も見る必要のない。ワクワク感はスターウォーズが帰って来たことくらいか。ルーカスも不満を漏らしていた。

また、主人公が突然強くなりすぎたのは、過去作のキャラとのバランスが崩れてしまった。ジェダイになるには、あのアナキンですら長い月日がかかっているのだから。レイのフォースの覚醒は修行したアナキンを超えていた。ジェダイは鍛錬ではなく、才能が全てという印象を与えてしまった。

次にEP8。

最終章に繋ぐ重要な位置づけ。特にスターウォーズの完結に結ぶこの映画はとても重要であった。

結果は新しいことをやり過ぎて、フォースのバランスを崩してしまった。元々、3部作で異なる監督という時点で嫌な予感はしていた。したがって、EP7とは悪い意味で異なる雰囲気に変わってしまった。そりゃそうだろう。作り手が変わったのだから。

やり過ぎ感はあったかもしれないが、新しいことへの挑戦、フォースに対する解釈の点では評価できた。フォースは、スカイウォーカー家だけのものではない。それは、過去の作品からも分かる。ただし、フォースがあまりにも都合の良い産物になってしまったのは、がっかりだった。フォースは魔法ではない。そのくらいにしておくことがちょうど良かったのだ。

そして、EP9

完結編であり、すべての終わりの位置づけ。

ここで訳あって監督はEP7のJJに逆戻り。ということで、8の伏線をすべて無に変えて7の感じに戻す。今回、3部作を別の監督でやること自体が1番の過ちだと思っている。行き当たりばったり感は否めない。

さて、最終章だが、8から上手く纏めた内容となっている。だが、そもそも上手く纏める作業で手一杯では、スターウォーズとは何だったのだろうと言うしかない。パルパティーンの復活、レイの出生の秘密、レン、レイアの死、最終決戦。確かに感動的に仕上がってはいるが、これがスターウォーズ最終章だと思うと残念でならない。

今回のレイの出生によって、スカイウォーカー家の壮大なサーガは、パルパティーン家に置き換わってしまった。全てのジェダイの想いを彼女に託すには、ちと重過ぎたとしか言いようがない。最後にスカイウォーカーと名乗ってはいるが…

既に世に公開されてしまったEP7〜9を無かったことにすることはできない。ファンがそれぞれの形でストーリーを完結させればよいと思う。私は、完結編を見た上でEP7〜9を素直に受け入れることはできない。

もはや叶わないが以下が私の想いであった。

EP6の続編ならルーカス自身が作って欲しかった。

ルーカスでない別の人間が作るのなら、スカイウォーカー家とは別のスターウォーズをやって欲しかった。

3部作の中で監督を変えないでほしい。

最後の展開をある程度固めてから1作目に取り組んで欲しい。

こんな願いを書いたところで意味がないのだが、思い起こせば続3部作の話が出た時点でこのような願いを抱いていた。しかし、終わってみればこの有様。超大作を超大作で終えるにはこのような結末になるしかなかったのだが、スターウォーズだからこそ新たな挑戦と売り上げに固執しない独自路線を歩んでほしかった。

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